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高血圧について

 高血圧でかかられている患者さんはたくさんいらっしゃいます。私はときおり「高血圧はなぜ治療をしないといけないのか、ご存じでしょうか?」聞いてみることがあります。答えの多くは「知らないです」あるいは「血圧が高いと頭の血管が切れるから」「頭痛やめまいをおこさないように」といったものをよく耳にします。しかし、正しい答えは「少しでも脳梗塞にならないように」です。
 高血圧が続くと時間をかけてゆっくりと血管が固くなり、血のめぐりが悪くなっていきます。何の症状も見られない間に、年の単位をかけてゆっくりと病気がすすんでいきます。そしてある日突然、前触れもなく脳梗塞や脳出血を生じるのです。それを予防するために血圧の治療を行います。
 ですから、何の症状もないからといって血圧は放っておいて良いものでもないのですが、同時に高いからと言ってすぐに何か起こるのではないか、と心配することもないのです。今となってはほとんどの方が年1回は血圧を測る機会があるようです。

以前のように何年も血圧が高いまま気づかない、ということはほぼなくなったのではないでしょうか。そのためか、血圧が高いために血管壁が破れてしまう「脳出血」は以前と比べるとかなり減少しました。
 とはいえ、治療をしていても脳梗塞を生じることが残念ながらあります。治療をしても、しない人と比べて3割程度、確立が低くなる程度なのです。(Stroke 1997;28:2557-2562)  他にも「喫煙」も高血圧と同じぐらいの危険性ですし(BMJ 1989;298: 789-794)、加齢によるものや、遺伝、食事や運動などいろいろな要素が絡んでいます。
 さてひるがえって、もし自分が高血圧であったら治療を受けるかどうか‥‥。私も死ぬならぽっくりと、死なない間は元気でいたい人間です。脳梗塞というのは幸か不幸か命までは奪われず、麻痺を残すことの多い病気です。麻痺を残しながらも旅行に行かれたり、人生を楽しんでいらっしゃる方も知っております。しかしその裏には人知れぬ「リハビリ」という努力があったことも知っております。できることなら少しでも脳梗塞にならぬよう、私もきっと薬を飲むと思うのです。
 皆様もどうぞ、自分が何の病気なのか、何のために治療を受けているのか、知識を持たれることをお勧めいたします。