home

IMG_0446.jpg

便秘

 女性、あるいは高齢者にとても多い便秘。なかなか本人に合う治療方法が見つからなかったり、生活に大きな支障がないため、便秘が放っておかれている場合が少なくありません。しかし、便秘が解消されることにより肌荒れ・肩こり・倦怠感が改善され、驚くほどに体調が良くなったり、長い目で見れば大腸癌の危険性が低くなるなど、たかが便秘とは言い切れません。目新しい方法や特効薬があるわけではありませんが、基本をしっかりとおさえていきましょう。

排便の習慣をつける

 排便にも一番出やすい時間帯というものがあります。人は寝ている間にお腹が一生懸命はたらき、朝までに便は肛門近くまで運ばれていきます。そして朝食を食べると、その刺激を受けた腸が活動し始め、便意をもよおします。この時間が最も排便に適しています。そのため、朝食を食べない方、あるいは食べたとしてもゆっくりとトイレにこもる時間のない方は、便秘になりやすいのです。生活習慣の改善は、なかなかできないものですが、とても大切な治療です。朝食を用意することが面倒であれば、水分をしっかりとっても便意をもよおすことができますので試してみてください。

食物繊維をとる

 何の栄養素もなく、かつては見向きもされなかった食物繊維が、とても大切な役目をしていることが最近解ってきました。一日に20~25gの繊維をとることが、良好な通じを生み出します。野菜は有名ですが、生よりもゆでたり煮たりすることによりたくさんの繊維をとることが出来ます。フルーツや芋類も有名ですが、玄米やシリアルなどの穀類、豆や海藻類にも多く含まれています。繊維がよいことは解っていてもなかなかとれない場合、サプリメントとしても最近は販売されているようです。お腹に優しく、自然な排便が望める繊維の摂取は、便秘治療の基本です。

乳酸菌の摂取、その他

お腹の中には、食べ物を分解する細菌が何兆という数で存在し、すべて足すとその重たさは1㎏になるとも言われています。お腹によい菌が増えると便通も良くなり、おならの匂いもやわらぎます。食物繊維ほどの効果はありませんが、定期的に乳酸菌も摂取をした方がよいでしょう。
運動は大きな効果がまだ認められていませんが、ベッドで臥床がちの高齢者や患者さんが便秘になったとき、歩き始めてトイレに座るとそれだけで改善する場合も少なくありません。ストレス改善としても、適度な運動をおすすめします。

下剤の使用

 下剤には大きく分けると3つあります。ひとつめは、便を軟らかくする薬です。市販ではあまり見かけませんが、医療用では「カマ」と呼ばれている白い粉薬が一般的に用いられています。(錠剤もあります) これは水分を取り込むことによって、便を柔らかくしてくれます。お腹に優しく、副作用の少ないよい薬ですが、腎臓の悪い方には注意が必要です。
二つめは腸の動きをよくするお薬です。市販でも医療用でもよく使われているのが、だいたいこの薬です。粒が小さいうえに作用が強力なため、利用されている方も多いかも知れません。量が多すぎると下痢になったり、腹痛の原因になるので注意が必要です。
三つ目は漢方です。これも市販でも医療用でもいくつか出ています。どちらか言えば、お腹を動かす薬に入りますが、作用がおだやかでより自然な排便がのぞめる印象があり、利用者も多いようです。
 番外として、座薬や浣腸があります。ご高齢になってくると踏ん張る力がなくなってきます。肛門近くまで来ているのに出てこない。下剤を多くすると今度は下痢になってしまう。こんな時は、座薬や浣腸を使って、最後の一押しをする方がコントロールしやすいこともあります。
 下剤を用いてもなかなか出ない方もいらっしゃいます。ただ、使用範囲を超える下剤の内服は、気持ちはわかりますが、おすすめできません。薬に頼る前にもう一度他の方法を検討してみてください。

注意を要する便秘

 便秘の中で注意を要する便秘があります。特に理由無く、しだいに便秘になってきた場合や、逆に細い便や下痢になってきた場合、大腸癌などが原因の時があります。一度、医師にご相談下さい。
 また腹痛を伴った便秘も、腸閉塞などの危険性がありますので一度来院してください。
 下血をともなう場合、多くは痔瘻ですが、直腸癌や潰瘍性大腸炎といった病気もありますので、安易に判断せず、これも一度ご相談下さい。

女性に多いわけ

 便秘で悩まれている方の多くは女性というべきか、女性の多くは便秘で悩まされていると言うべきか、とにかく女性は便秘で悩みがちです。これは残念ながら生物学上の問題があるからです。女性ホルモンが便秘の原因になりやすいというのがあります。他にも狭い場所に膀胱・膣・子宮があり、直腸の場所が狭いこと、筋力が弱いことなど、女性として仕方のない理由がいくつか言われています。
 1日1回の排便が基本です。2~3日ごとであれば許容範囲かも知れません。4日以上あく人や、1週間に1度といった場合はけっして体にいいものではありません。排便習慣、繊維質、乳酸菌を上手に利用して、健康の三条件「快眠、快食、快便」を目指してください。